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3 「リサイクル」「循環」の前に考えるべきこと
文:堀 孝弘
3 「リサイクル」「循環」の前に考えるべきこと
2000年5月9日には循環型社会基本法が成立し、この中で、ごみ処理の優先順位が設定されました。最も優先されるものとして、「そのまま使えるものは再使用する(部分使用や修理後の使用を含む)」があげられました。ただし、これには「技術的・経済的に可能な範囲で」という但し書きがあります。 事業者がリユースを行うにあたって「経済的に可能な範囲で」というただし書きがつけられますが、自治体は投資効果をほとんど無視したリサイクルをすすめています。そのために貴重な税金が使われ、缶やペットボトルなどのワンウェイ容器を使っていない人も負担しなければなりません。「ごみ処理の優先順」の一番に再使用があげられているのに、自治体が費用を丸抱えしてくれるおかげで、リユース容器は減り、ワンウェイ容器は増える一方です。リサイクルにまわされる資源(循環資源)は増えるでしょうが、それによって社会全体の環境負荷が小さくなったとは言えません。
また、食品の分野に目を移しても、ファストフード店やコンビニ店の中には、作り置きしたハンバーガーや店頭に並べた弁当を、20分や数時間で廃棄処分しているチェーンがあります。これら大量に廃棄される食品をたい肥化してリサイクルする試みも一部で始まっていますが、それを「環境にやさしい活動」と表現する前に、大量の廃棄食品が出ていることを見落とすことはできません。