21世紀、地球を、地域を、生活を、持続可能な豊かさに
4.2.6 グリーンコンシューマーネットワークとグリーン購入ネットワーク
文:杦本 育生
当初、全国版を作成した4団体で構成したグリーンコンシューマー・ネットワークは、全国各地の地域版作成団体が加わりながらネットワークとして拡大している。97年8月には全国一斉グリーンコンシューマー調査を行った。調査店舗数は857、調査項目は、店内温度、再生紙トイレットペーパーの販売状況、レジ袋の削減対策である。どの項目も地球温暖化と密接な関係がある事項である。例えば店内温度は、温度を低く保つ必要がない乾物売場での計測によると外気温に比べて約10℃も低く、平均23.0℃であることがわかった。冷房温度をあと数℃あげることが地球温暖化対策からも求められる。
そして、グリーンコンシューマー・ネットワークでは、98年に全国版の買い物ガイドの全面改訂版を調査の上、出版する予定をしている。
このような、個人消費者を対象としたグリーンコンシューマー活動に刺激される形で、法人・団体を対象としたグリーン購入ネットワークが、96年2月に設立された。このネットワークは環境庁の提唱で、日本環境協会が事務局となっているが、活動の形態そのものはNGO的である。このネットワークは企業、自治体、NGOがともに参加して物を購入する立場として、商品の選び方を環境を考えたものとし率先実行しながら、グリーンな市場をつくっていこうというものである。97年8月現在、企業599、自治体152、民間団体138の合計889団体が加盟しているが、大手企業が多く参加しており社会的な影響力をもつ存在になってきている。グリーン購入の実践は、まだ一部の自治体、企業、民間団体に限られていたが、今年度からかなりのところで事務用品を中心にグリーン購入が始まりだしている。
また同ネットでは、商品の購入に際して環境面で配慮すべきことをまとめたガイドラインの策定を始めたが、すでに「OA・印刷用紙」「コピー機等」「パソコン」「冷蔵庫」「衛生用紙」ができている。そして実際の購入に当たっての商品を環境面から比較して選択できるようにガイドラインに沿って商品の環境情報を収集し冊子にまとめたものも「OA・印刷用紙」「コピー機等」について発行している。
このように日本のグリーンコンシーマー、グリーン購入活動は、黎明期から成長期に入りだしており今後の飛躍が期待できるところに来ている。