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九州電力川内原子力発電所の再稼動に対する声明
2015年8月11日
九州電力川内原子力発電所の再稼動に強く抗議し、早期の稼働停止を求めます
福島第一原子力発電所の過酷事故は、原子力発電が人類や地球と共存できないことを明確に示しています。4年以上経過した現在でも事故の検証は全く進んでおらず、また多くの人々が避難を余儀なくされています。現在も事故を起こした原子炉はコントロールされておらず、大量の放射能を環境中に放出を続け、生き物たちと人類の脅威になっています。
3.11の直後を除き日本で大規模な停電は起こっていません。また今年も猛暑が続いていますが、九州電力では需要ピークが供給可能電力量の90%を超えた日は、これまで1日もありません。さらに再生可能エネルギーの設置は大きく進んでいます。電力は不足していないのです。
政府は「世界で最も厳しい水準の安全規制」と繰り返し述べていますが、これが事実ではないことは既に専門家やマスメディアから具体的事実をもって反証されています。また、事故時の避難計画も杜撰を極めており、懸念されている火山の爆発に対する対応も全く言っていいほどできていません。
国民の過半も川内原発の再稼働に反対であるという意思を明確にしています*。それでも政府や九州電力が再稼働を急ぐのは、3.11の後に国民から大きく非難された原子力ムラに連なる企業や人々が何の反省もなく無定見な科学技術信仰を基に自らの利益を優先しているからに他なりません。
あらゆる生命とその生命の源である地球環境を傷つけ、未来の世代にも大きなツケを残す原発、持続可能な社会を不可能にする原発、健全な経済社会と雇用への構築を妨げる原発
は、日本にも世界にも不必要です。
私たちは、日本の世界の脱原発を願う人々、平和を願う人々、環境問題の根源的解決を願う人々とともに、原子力発電所がゼロになることをめざし、九州電力川内原子力発電所の再稼動に強く抗議し、早期の稼働停止を求めます。
2015年8月11日
NPO法人環境市民 代表理事 杦本育生
*最新の世論調査結果で、川内原発の再稼働に反対は、57%(毎日新聞)、59%(朝日新聞)、59%南日本新聞等